◆ 第五回:成績アップを邪魔する七つの大罪 ⑤
成績アップを邪魔する、様々な原因。
今回で、とりあえず紹介は最後だぞ!
ようやく最後ってわけね。
七つ目ってことは、きっともの凄く大事なことなのかしら?
そうだね。
とても大事で……でも、基本中の基本であり、当たり前のことでもある。
成績アップを邪魔する七つの大罪のラスト……それは、暗記力や語彙力が低いまま放置していることだ!
最後の最後でそれ!?
だったら、俺には絶対に無理だよ……。
暗記は苦手だし、難しい言葉だって全然知らないし……。
確かに、そう思ってしまう人がいるのも無理はないね。
だからこそ、この項目は一番最後に紹介させてもらったんだ。
今までの、ちょっと頑張ればどうにかなるテクニックとは違って、長い時間をかけて改善していかなければいけないものだからね。
確かに、暗記力や語彙力なんて、そう簡単には身に付きそうもないわ。
できれば今までみたいに、パ~ッと解決できる必勝法みたいなのが欲しいけど。
残念ながら、それはないかな。
でも、暗記力が低いままだと、いざ大量の知識を覚えなければならない時になって困ってしまうよ。
それに、語彙力がない人は、ちょっと難しい言葉が出てきただけで、拒否反応を起こしがちになる。
そんな状態で理科や社会の勉強なんてできないし、国語で少しでも難しい言葉の使われている文章が出てくると、それだけでやる気をなくしてしまう人もいるね。
なにより、語彙力がない人は「言葉を使うこと」も苦手だから、あらゆる科目で記述問題が苦手になって、どうしても一定以上は点数を延ばせなくなってしまうんだ。
勉強していても基本がしっかりしていないと、あっという間に限界が来ちゃうってことなのね。
あ……もしかして、わたしが国語の説明文が苦手なのも、それが原因!?
それだけではないけれど、原因のひとつではあるかもしれないね。
英美さんは、難しい言葉が出てくると、なんとなく自分で意味を想像して、それで納得して終わりにしていないかな?
そうやって、実は何も分かっていないのに分かったつもりになっている人は、意外と多いんだよ。
うっ……!
思い当たることが多過ぎて、何も言い返せない……。
俺も同じだよ。
だいたい、漢字が難し過ぎるんだよね。
理科とか社会とか、国語でも習ったことのない漢字が出るときあるし……。
ああいうの、何度練習しても全然書けないし、そもそも頭に入って来ないんだ。
二人とも、暗記力の強化と語彙力の強化は必須のようだね。
でも、安心してくれ。
そういう時こそ、今まで紹介して来た6つのことも思いだして、暗記力や語彙力をつける特訓をして行こう!
と、特訓!?
もしかして、合宿で何時間も勉強させられて、できるようになるまで帰れないとか!?
おいおい、今まで何を聞いてきたんだよ……。
勉強に大切なのは、時間じゃなくて回数だって言っただろう?
毎日、少しずつでもいいから、日々の学習に暗記力や語彙力の強化できる何かを取り入れて行けばいいんだよ。
でも、具体的に何をやればいいの?
暗記力とか、意識して勉強したことないから、全然分からないんだけど……。
そうだねぇ……。
とりあえず、学校の英語の教科書を、何も見ないで暗誦できるようになるまで音読してみるっていうのはどうかな?
別に、一度に何ページも暗誦する必要はないよ。
1日1ページ……それが無理なら、1段落分でも構わないから、教科書本文を声に出して読んで暗記する。
これを繰り返しているだけでも、基本的な暗記力は、かなり身に付けることが可能だよ。
音読かぁ……。
あまり好きじゃないけど、そのくらいしかできそうなことないし、やるだけやってみようかな。
あ、でも、英単語のスペルなんかは覚えなくていいの?
今はまだ、そこまで気にしなくても大丈夫だよ。
何かを暗記する際に必要なのは、まず声に出して答えや文章を言えるようになることだからね。
自分が声に出して言えないものなんて、何度書いたり眺めたりしたところで覚えられない。
暗記力っていうのは、単に何かを頭の中に詰め込みまくれば身に付くものじゃなくて、五感をフルに使って勉強することで身に付くものだってことを忘れないで欲しいな。
● 今回のまとめ!
【成績アップを邪魔する七つの大罪!】
第七の罪:暗記力や語彙力が低いまま放置している。
基本のルールが覚えられなければ、いつまで経っても独り立ちできない。
語彙力が低ければ、設問で何を問われているのかも分からない。
答えの本を読んだところで解説文の意味が理解できないから勉強にならない。