◆ 第二回:成績アップを邪魔する七つの大罪 ②
さて、前回は成績アップを邪魔する七つの大罪として、その内の二つを紹介したね。
夜遅くまで起きて勉強しても能率は上がらないし、そのせいで授業やテストで頭が回らなかったら本末転倒。
ここまでは、分かってくれたかな?
うん、まあね。
よくよく考えたら、早寝早起きとか、授業中に居眠りしないとか、当たり前のことだしね。
でも、その当たり前が守れない人もたくさんいるんだけど……まあ、少しずつ改善していけば問題ないよ。
それじゃ、今回は3つ目……勉強の方法について、やってはいけないことを紹介しようか。
勉強の方法?
勉強しているんだったら、していないよりもマシなんだし、どんな風に勉強してもいいんじゃないの?
いやいや、そんなことはないぞ!
どれだけたくさん勉強しても、ちゃんと身に付く方法で勉強していなかったら、そこにかけた時間は殆ど無駄になってしまう。
一哉君は、勉強時間だけは長いけど……その割には、あまりテストで点数が取れないこと、あるんじゃないかな?
うっ……!?
た、確かに、テスト前の日曜日は10時間も勉強しているのに、次の日のテストでは全然点数が取れないこともあったかも……。
それ、単に要領悪いだけじゃないの?
やり方を守るとか守らないとか、あんまり意識したことないけどなぁ……。
確かに、勉強時間とか勉強する内容ばかり気にする人は多いよね。
でも、時間や内容よりも、まずは解き方や勉強方法を守らないと、いくら勉強しても定着しないよ。
それに、解き方を守らないで試験を受けるのは、ミスが増えることにもつながるんだ。
ミスが増える?
それって、計算のケアレスミスとか、漢字の書き間違いとか?
それだけではないけれど、そういったミスも含まれるね。
たとえば、塾では計算の際に=を左端に揃えることや、1行につき1種類の計算しかやってはいけないということを教えているけれど……ちゃんと守って宿題をやっているかい?
面倒臭いから、頭の中で暗算して、途中式も適当に書いていないかい?
え? それってダメなの?
なんか面倒臭いから、とりあえず合ってればいいやって感じで計算してたんだけど……。
おいおい……それじゃあ、いざ計算を間違えた時に、何が悪くてどこで間違えたのか、直ぐに分からないだろう?
それに、そもそも言われた通りの方法で練習していなかったら、いざ本番になって正しい方法が必要になったとき、何も思い出せないぞ。
あ~、そういえば、そういうこと多いな。
習った時は分かったつもりでも、いざ自分で解いてみると全然ダメなんだよね。
テストじゃなくて、宿題でも学校のワークでも……。
習った時に上手くできたのは、教わった方法を正しく使っていたからだよ。
解ければよかろう、終わればよかろうっていう姿勢で問題を終わらせているだけだと、それは単にテキストをやり潰しているだけに過ぎない。
スポーツでも、正しいフォームで練習しないと上手くならないのと同じで、授業で習った方法を使って宿題をすることが、正しい方法を定着させることにつながるんだ。
今までは、ただ問題をたくさん解けばいいって思っていたけど、それじゃダメなのね。
正解することよりも、まずは手順を覚えることが大事ってこと?
その通り!
塾で出している宿題は、君達に勉強ができるようになって欲しいから出している。
でも、ただガムシャラに、大量の問題を好き放題解きまくれば頭が良くなるわけじゃない。
例題に出ている方法は勿論、ノートに書いてもらった解き方のコツ、守らなければならない手順なんかを無視して解いてきたものは、どれだけ一生懸命に考えて出した答えでも価値は殆どないんだよ。
そ、そんなぁ……。
それじゃ、俺が今までやっていたことは、いったいなんだったんだぁ……。
まったくの無意味とは言わないけれど、かなり勿体ない時間の使い方をしていたのは確かだね。
なにより、そんなやり方で宿題をやっていても、成果が出ないから苦しいだけだ。
人間は苦痛な経験ほど早く忘れようとする生き物だから、苦しいだけの勉強を続けていると、折角覚えたことも、かなり早い段階で抜けてしまうぞ。
勉強しても全然できるようにならないだけじゃなくて、できるようになったはずのことも、早く忘れちゃうってこと!?
それって最悪……。
でも、どうすれば教わった通りの方法を、ちゃんと守ってやれるようになるのかな?
とりあえず、宿題の問題を解くときに、『●●しなさい!』と言われた作業は全てやってみようか。
問題の正解を考えるよりも先に、どんな手順で解くのかを思い出してから取り組むというのも良いね。
これを守って進めて行けば、最初は正解できなかったり、途中までしか解けなかったりしても大丈夫!
正しい方法で勉強していれば、結果はいずれついてくるものだからね。
● 今回のまとめ!
【成績アップを邪魔する七つの大罪!】
第三の罪:言われた通りの方法で勉強しない
やり方を守って勉強しなかったら、正しい方法は身に付かない!
最初は正解することにこだわらず、解法や手順を守ることを優先しよう!